2007年08月09日

サブプライムローン問題の前提知識

サブプライムローン問題、低所得者向けに高めの金利で貸し出すアメリカの住宅ローン「サブプライムローン」の焦げ付き問題が、アメリカの市場を揺さぶり続けている。現在では、サブプライムローンを扱う会社の20社以上が破綻に追い込まれ、延滞率も13%を超える異常な状態です。

サブプライムは低所得者層という意味を持つが、単なる低所得者層ではない。過去に破産したことがあったり、クレジットや各種ローンで長期の延滞歴がある、日本で言えば、個人信用情報期間のブラック情報に掲載されているような人たちも含まれる。

サブプライムローンは最初からリスクのある住宅ローンというわけだ。その分金利も相当高い。金利の高さと同様に延滞率も13%と通常の住宅ローンでは考えられないほど高い数値を示している。

アメリカのサブプライム層への住宅ローン融資が抱える問題は今に始ったことではない。アメリカの住宅ローンのしくみにも問題がある。一例を挙げると、住宅ローンを借りた最初の数年間は、金利のみの支払いで良いという商品も主流となっている。当然、元本が上乗せされると返済できなくなる割合も高くなる。

サブプライム層はアメリカで25%を占め、サブプライムローンも住宅ローン全体の13%をという決して少なくない数字だ。その市場規模は1兆ドル。もはや楽観視できるレベルではなく、一大産業である。

サブプライムローンというのは銀行が貸し出す住宅ローンではない。サブプライムローン専門の業者がいる。その代表が、2007年3月13日に破綻したニュー・センチュリー・ファイナンシャルなどだ。